乙女高原アーカイブ

乙女高原ファンクラブの活動記録です

草原の里交流フォーラム

 前回のフォ-ラムには角田さん、三枝さんと3人で参加しましたが、今回は植原一人でした。
 新宿まで「かいじ」小田急線に乗り換えて経堂で降り、そこから歩いて東京農大に。少し時間があったので、すぐ近くの農大附属博物館と馬事公苑を見学し、学食で「油そば」をいただいて、会場の榎本ホールに行きました。
 フォ-ラムは午後1時から5時までと長丁場。でも、とても濃厚な時間でした。
 オープニングのあいさつは全国草原の里市町村連絡協議会会長・大分県九重町長の日野さん、東京農大地域環境科学部長の竹内さん、環境省自然環境計画課長の西村さん、農水省農泊推進室長の東さん(代理で課長補佐の浜畑さん)でした。
 第1 部の記念講演は東京農大の加藤さんの「草原は炭素を固定する~土壌有機物における半自然草原の重要性」というお話でした。半自然草原(人の手が入った、乙女高原のような草原)は炭素固定において重要な役割を果たしているというのが結論で、つまり、草原の保全地球温暖化対策としても有効だということです。

 今年は4つの草原の里が新たに認定され、これで「未来に残したい草原の里」は乙女高原も含めて57箇所になりました。新たに認定されたのは、北上川河口域のヨシ原(宮城県石巻市)、池ケ原湿原保全・活用協議会(福井県勝山市)、山田牧場(長野県高山村)、神鍋高原(兵庫県豊岡市)で、北上川以外の3箇所については、第二部の中で事例発表がありました。
 池ケ原湿原では「保全・活用協議会」という湿原の保全に関わるいろいろな団体(行政ばかりでなく、企業や教育機関も)の協力組織が作られているのが印象的でした。「湿原」保全には「草原」保全とはまた違った苦労があるんだろうなと思いました。
 山田牧場は123年の歴史を持ち、1958年からはスキー場も開設しており、観光地という側面もあります。159haという広大な面積で「愛する会」というファンクラブがあるのと、筑波大学の研究者が科学的視点から保全活動をサポートしているのが強みだなと思いました。
 神鍋高原では、アウトドアスポーツの方々も加わって、サステナブル・ツーリズムの一環として山焼きを復活させたというストーリーが印象的でした。中核を担う方々が30代・40代という羨ましい状況です。富士山をそのまま小さくしたような高原で、おはち(火口)の内側を山焼きするそうです。

 次に、環境省のネイチャーポジティブ推進室室長の奥田さんから自然共生サイトについてのお話がありました。自然共生サイトの元になっているのはOECMという考えで、これは「保護地域になっていないけれど、自然が守られている場所」という意味です。生物多様性条約第15回締約国会議では「今後、OECMの面積も保護地域同様に増やして、2030年までに全世界の30%を自然が守られている土地にしよう(30by30)」という国際的な約束が交わされています。
 だから、理屈としては「乙女高原のようにすでに保護地域になっているところは自然共生サイト(OECM)にはなれない」ということなのですが、奥田さんの話は、保護地域になっている場所でも、申請があれば、自然共生サイトとして積極的に認定しているというお話でした。環境省では、自然共生サイトの生物多様性保全に企業が支援する仕組みを整備していて、企業が自然共生サイトの支援をきちんとしていたら「支援証明書」を発行し、その証明書を証拠に「私たちの企業は生物多様性保全に取り組んでいます」と報告書等に書けるようにしているそうです。

 草原の里100選にすでに選ばれている蒜山自然再生協議会(岡山県真庭市)と森林塾青水(群馬県みなかみ市)から、100選に選ばれた後の活動についての報告もありました。
 クロージングでは、次回(第15回)全国草原サミット・シンポジウムが行われる大分県九重町から、草原サミット・シンポジウムにお誘いするお話がありました。来年9月5~6日だそうです。最後に、草原の里100選運営委員長の高橋さんから閉会のあいさつがあり、会は終了したのですが、続く懇親会で、多くの「草原を守る活動をしている」方々とお話することができました。行政の人、企業の人、研究者など、それぞれの立場の違いはありますが、草原を守りたいという思いは一緒で、大いに盛り上がり、乙女高原の活動も知ってもらえました。

 

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